第34回シミック製剤技術アカデミー/APSTJ製剤技術伝承講習会

2025-07-10 10:302025-12-19 17:10大阪大谷大学(第1部)、名城大学(第2部・第3部) ical Google outlook
主催 公益社団法人日本薬剤学会 製剤技術伝承委員会
協賛 シミックCMO株式会社

会期・会場

  会期 会場
第1部 2025年7月10日(木)~11日(金)
大谷大学ハルカスキャンパス
(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス23F)
https://www.osaka-ohtani.ac.jp/harukasu/access/
アクセス
近鉄南大阪線「大阪阿部野橋」駅 西改札口
JR「天王寺」駅 中央改札口
大阪メトロ御堂筋線「天王寺」駅 西改札口
大阪メトロ谷町線「天王寺」駅 南西改札口・南東改札口
阪堺電軌上町線「天王寺駅前」駅よりすぐ
第2部 2025年10月2日(木)~3日(金)
名城大学ナゴヤドーム前キャンパス西館レセプションホール
(名古屋市東区矢田南 4-102-9)
https://www.meijo-u.ac.jp/about/campus/dome.html
アクセス
JR中央本線・名鉄瀬戸線「大曽根」駅下車 徒歩約10分。
地下鉄名城線 「ナゴヤドーム前矢田」駅下車2番出口 徒歩約3分。
ゆとりーとライン「ナゴヤドーム前矢田」駅から徒歩約5分
第3部 2025年12月18日(木)~19日(金)

製剤技術伝承講習会へのご案内

理論と経験に裏付けられた匠の技術と設計思想を継承し、日本の製剤技術力の更なる飛躍のために

医薬品産業を取り巻く環境の著しい変化に伴い、わが国で脈々と培われて来た製剤技術が十分に伝承されず散逸することが懸念される中、本学会では2006年に「製剤技術伝承委員会」を発足させ、長年にわたって発展してきた製剤技術の伝承に努めて参りました。今回は「経口製剤・非経口製剤の製剤設計と製造法」をテーマに3部構成と致しまして、それぞれのエキスパートからご講演をいただきます。奮ってご参加下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。

製剤技術伝承委員長 米持悦生

プログラム(内容は変更の場合があります。)

第1部

会場: 大谷大学ハルカスキャンパス

7/10(木)

日程 演題 講師
AM
10:30-12:30
「固形製剤総論 ―剤形設計コンセプトと製造技術-」 竹内洋文
(岐阜薬科大学)
「製剤学」は医薬品とヒトとの接点に関わる学問であり、有効性が最大限に発揮でき、安全かつ安心な薬物投与・治療を製剤設計・技術により具現化することが目標です。その際に、近年の医療のキーワードである、Patient Centricityを考えることも極めて重要です。これらの製剤設計の目標を達成できるようになるために、設計及びプロセスの基礎を、最近の動向も踏まえてお話ししたいと思います。医薬品の製剤設計に直接携わる研究・技術者はもちろん、製薬あるいは関連会社の製造、品質管理等に関わる皆さんにも、できるだけわかりやすく情報提供をしたいと思います。
PM-1
14:00-16:00
「経口製剤設計における原薬物性評価」 我藤勝彦
(大塚製薬株式会社)
製薬メーカーは「患者さんに医薬品を安定的に提供する」という社会的責務を負っています。この責務を果たすための基礎となる研究が,医薬品原薬や製剤の本質を知るための「物性評価・特性解析」であると考えています。製剤技術と物性評価・特性解析は、医薬品開発の両輪であると思います。
本講義においては,原薬物性評価における各種評価手法から得らえるデータについて解説すると共に,原薬形態の選定の概要について説明したいと思います。
PM-2
16:10-18:10
「QbDに基づく固形製剤のプロセス開発と高度管理戦略の構築」 原由子
(アステラス製薬株式会社)
Quality by Design(QbD)に基づく固形製剤のプロセス設計においては,段階的なリスクアセスメントの実施,実験計画法等による客観的評価,データに基づく適切な管理戦略の設定が重要であり,実例を交えて紹介します。また,高度な管理戦略の構築としてPATによる重要品質特性のモニタリング,データマイニングによる商用生産時のデータ収集と解析手法について具体的な取り組みを解説します。
これらの事例紹介が参加者の皆様において、医薬品製剤開発での技術的および科学的製品理解の促進や医薬品の安定生産・継続的改善に繋げるための一助となれば幸いです。

7/11(金)

日程 演題 講師
AM
10:00-12:00
「打錠機構の理解と打錠障害の解決事例」 杉野唯衣
(シオノギファーマ株式会社)
製剤設計やスケールアップの過程において,打錠障害や打錠トラブルは避けがたい課題です。このような事態に対する最善の解決策は製剤処方の見直しですが,開発後期に発生した場合は,製造設備の改良や設定条件の最適化を通じて問題解決を図ることが求められます。
打錠機構の理解を深めることで,打錠障害やトラブルの原因を特定し,解決策を導き出すことが可能となります。加えて,打錠障害の発生メカニズムの理解や過去の改善検討事例は,問題解決の糸口となります。本講義では,打錠機構の理解を深めるために行った検討や,打錠障害への対応事例,評価方法の検討事例をご紹介します。
PM-1
13:30-15:30
「医薬品の包装設計~ジェネリック医薬品企業としての包装技術・包装設計~」 結城健
(沢井製薬株式会社)
医薬品開発において、製剤部門、包装部門、分析部門の連携は不可欠である。特に製剤と包装は、有効期間にわたって製剤の品質規格を保証し、適正な使用及び投与時の安全性を確保することが求められている。さらに、近年、複雑化する製品ニーズ、多様化する医療環境、それに伴うサプライチェーンの変化に高いレベルで適応するための緊密な連携が必要である。本講義では、製剤と包装の連携強化の促進に繋がることを期待して、ジェネリック医薬品企業における包装設計、包装技術の事例を紹介する。
PM-2
15:40-17:40
「医薬品微粒子のコーティングテクニック」 市川秀喜
(神戸学院大学薬学部)
OD錠等に代表される高付加価値製剤の製造のためのツールとして100μm以下の微粒子へのコーティングのニーズが高まりをみせている。従来から汎用される湿式スプレープロセスでは生産効率と品質の再現性に難点があり,特に粒子間凝集の防止と良好な被膜形成が重要な鍵となる。本講では,材料・処方に主眼をおいた凝集防止の考え方や成膜機構を解説し,製剤設計の研究事例のほか,近年注目を集めている乾式コーティングプロセスの検討例についても紹介する。
微粒子のコーティングには多くの困難さがつきまとうが,製剤の機能化には有力なツールのひとつでもあり,経口剤のみならず,様々な製剤への応用展開を目指したい。

第2部

会場: 名城大学ナゴヤドーム前キャンパス西館レセプションホール

10/2(木)

日程 演題 講師
AM
11:00-13:00
「無菌製剤総論―注射剤を中心に―」 中園修一
(第一三共株式会社)
無菌製剤の剤形としては注射剤、点眼剤、眼軟膏剤等がある。特に注射剤は体内に直接注入して適用するため、経口での適用が困難なバイオ医薬品の重要な剤形となっている。今後もモダリティーが多様化し、注射剤での投与も想定されることから、無菌製剤技術の重要性は益々高まっている。本講義においては、注射剤を中心に無菌製剤の研究開発に必要な知識について基礎的なことから概説したい。
PM1
14:00-16:00
「無菌医薬品製造設備・施設~アイソレータ・無菌充填ラインなど~」 中村健太郎
(日揮株式会社)
無菌医薬品の製造は、レギュレーションにより求められている内容の意図を正しく理解して、それらを設備や施設設計の技術的な面に適切に反映していくことが必要です。また、無菌医薬品の製造において、人手による介在作業が含まれる場合、それらの正しい運用も大変重要な側面となります。これらはすべて製品の無菌性や品質を担保するための汚染管理の一貫であり、その理解のためには、関連する知識や知見を包括的に取得することが求められます。そのような背景から、本講義では無菌製剤の製造プロセスに即した設計のポイント、無菌性を担保するためのアイソレータやRABSに関する内容から、工場全体のゾーニング管理や更衣の役割などを解説いたします。
PM2
16:10-18:10
「凍結乾燥技術」 細見博
(共和真空技術株式会社)
凍結乾燥の基礎をベースに、医薬品の凍結乾燥の失敗事例とその対策方法を交えて、バリデーションのポイントなど、凍結乾燥技術の概要を説明する。
凍結乾燥は他の乾燥方法では成しえない優位点があり、注射製剤や無菌原薬を主に幅広く活用されているが、条件の違いに影響を受け易いデリケートな乾燥方法である。命を守るための薬の製造装置を作っている仕事であることを心掛け、製剤技術者の方たちとも切磋琢磨して技術を培ってきた。ご質問や相談にも時間の許す限り答えたいと思います。

10/3(金)

日程 演題 講師
AM
10:00-12:00
「AIによる処方設計」 梅本佳昭
(アステラス製薬株式会社)
医薬品の製剤開発では,種々の品質規格を全て満たす処方を設計する必要があり,そのために数多くの検討が行われている。一方で,近年AIを始めとするデジタル技術が発展し,製剤開発への貢献が期待される。本講習会では,速く効率的な製剤開発を目指し,重要な製剤品質項目を予測するAI,及び複数の主要製品品質が最適化された処方を提示するAIの開発事例を紹介する。本事例を通じて,製剤開発におけるAI活用ならびにデジタルトランスフォーメーションの在り方について,皆様と共に考えることができれば幸いである。
PM1
13:00-15:00
「エーザイにおける連続生産を用いた固形製剤開発への取り組み」 石本隼人
(エーザイ株式会社)
連続生産は加速する製品開発への適応、精密な管理による品質保証、そして柔軟性の高い生産を可能にする先進的技術である。多数の製薬企業によって化学合成医薬品(原薬と製剤)とバイオ医薬品(原薬)の製造への本技術の適用が検討され、国内においても実用化の例も増えている。規制面においても、ICH Q13(連続生産)の日本国内での規制取り入れ(Step 5)が完了している(2023年)。本発表では、上記の連続生産を取り巻く現況を説明させていただき,エーザイにおける連続生産を用いた新薬開発のケーススタディーを紹介したい。本講演が国内での連続生産技術の国内での普及に向けた環境づくりに役立てば幸いである。
PM2
15:10-17:10
「固体分散体の製剤化技術と溶解性・安定性評価」 川上亘作
(国立研究開発法人 物質・材料研究機構/筑波大学数理物質系)
非晶質固体分散体は難水溶性薬物の経口吸収促進手段として、汎用性が高い極めて有用な技術である。しかしながら、その溶解過程や保存安定性の制御には背景にある非平衡科学を正しく理解する必要があり、中途半端な知識では固体分散体のポテンシャルを正しく引き出すことができない。本分野の学術理解は近年急速に深まっており、それに追随することで固体分散体の可能性はさらに大きく広がるであろう。本講義では演者自身の企業経験を踏まえ、最新のサイエンスを実務的な解釈に落とし込んで解説を行う。

第3部

会場: 名城大学ナゴヤドーム前キャンパス西館レセプションホール

12/18(木)

日程 演題 講師
AM
11:00-13:00
「創薬研究における経口吸収性評価技術と製剤的な吸収改善手法の活用」 真壁宗義
(第一三共株式会社)
創薬研究においては、スピードが重視され、限られた時間のなかで特性解析技術を駆使し如何にして医薬品となりうるものを見極めるかが重要となります。特に創薬初期段階においては、少量原薬を用いて薬物の効果を最大限に引き出すための評価手法と探索製剤化技術が求められております。本講義においては、少量の原薬から如何に吸収性を見積もっていくか、また吸収性改善にどのような技術が適応可能なのか、実例を交えてお話しさせていただきたいと思います。探索段階で用いる製剤技術の活用で如何に創薬研究を加速し、成功に導くか。本講義を通じて皆さんと一緒に考えることができれば幸いです。
PM1
14:00-16:00
「錠剤の製造における各種造粒法の特徴と選択のポイント」 大島孝雄
(科研製薬株式会社)
内服固形製剤は不均一製剤であり、含量均一性や溶出性をはじめとする製剤特性をコントロールする必要がある。将来に渡る安定生産を実現するためには、開発段階において適切な処方設計と製法設定を行い、品質を創り込むことが重要と考えている。製剤化工程の中でも特に造粒工程は、種々の造粒法が知られており、それを具現化するために数多くの造粒装置が開発されてきた。このことからも造粒工程の重要性と難しさを知ることができる。私自身もこれまで社内外の先輩研究者に多くのことを教わり、技術伝承の恩恵に預かってきた。微力ではあるが、本講習会にて少しでもお役に立てれば望外の幸せである。
PM2
15:10-17:10
「医薬品に使用される添加剤の基礎:規制・品質管理・供給者管理」 宮嶋勝春
(株式会社リボミック)
製剤に占める添加剤の割合は、9割を超える場合もあると言われ、添加剤は有効性はないものの製剤の機能に大きな影響を持っていると言える。この点を理解し、Quality by Designに基づき開発段階で適切な添加剤を選択すること、そしてその最適化は、最終的な製剤開発成功の鍵となっている。特に、添加剤の選択においては、前例主義が基本とされるが、新規添加剤を利用する場合の対応やMF(Master File)を利用する場合の手続きについても十分な理解が必要となる。本講義では、製剤開発・製造現場にいる研究者の添加剤に関する疑問に応えられる講義とする。

12/19(金)

日程 演題 講師
AM
10:00-12:00
「シングルユース製品のE&L試験の構築」 松田博行
(ZACROS株式会社)
シングルユース製品は、抗体医薬品製造における細胞培養や培地輸送のために欧米で開発されてきた。当社では国内医薬品メーカーの要望に応じて開発を行ってきたが、医薬品の製造工程で使用されるため高い基準が求められた。しかし、シングルユース製品を用いて製造された医薬品の品質を確保するための「高い基準」とは何かが定まっていなかった。シングルユース製品に求められる管理項目の1つに異物等の混入があげられる。異物には、複数種あり、目に見えない異物としては微小塵埃や溶出物があげられる。溶出物を評価する方法であるE&L試験の構築について紹介する。
PM1
13:00-15:00
「注射剤の潮流およびプレフィルドシリンジ製剤(高容量デバイス、2次デバイス含む)の開発のポイント」 高橋光
(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)
社会の高齢化およびバイオ医薬品の拡大に伴い、皮下注射製剤への期待が高まっています。本講演は、世界的な注射剤(特にプレフィルドシリンジ)の潮流、およびデバイスメーカーの視点からプレフィルドシリンジ製剤(高容量デバイス、2次デバイス含む)の開発のポイントなどを中心に解説し、日本の製剤技術者の方のレベルアップに少しでも寄与できれば大変うれしいです。
PM2
15:10-17:10
「抗体医薬品の製剤設計」 福田正和
(中外製薬株式会社)
抗体医薬品の研究開発においては、タンパク質の物性を理解したうえで、最適な製剤設計を行うことが重要となります。本講義では、抗体医薬品の処方・品質設計、容器設計、製法設計についての概要を紹介します。本講義がより堅牢で高品質な抗体医薬品の開発に少しでも貢献出来れば幸いです。

追記事項

今年度の講習会は日毎の参加者の変更が可能です。
各講習会の1日目と2日目の参加者を変更する場合は事前に連絡をお願い致します。
その場合もテキストの配布はお申込者のみとさせて頂きます。(テキストは1日目終了後にお預かりします。)

参加区分と参加費(消費税10%含む)

参加費は、第1部から第3部を全3回とし、受講頂く講義並びにテキストが含まれます。

参加区分 参加費-消費税込
【A】本学会会員-企業所属 全3回 165,000円
全3回のうちいずれか2回 132,000円
全3回のうちいずれか1回 88,000円
【B】本学会会員-大学・病院等所属 全3回 110,000円
全3回のうちいずれか2回 88,000円
全3回のうちいずれか1回 55,000円
【C】本学会賛助会員企業社員 全3回 165,000円
全3回のうちいずれか2回 132,000円
全3回のうちいずれか1回 88,000円
【D】本学会非会員 全3回 220,000円
全3回のうちいずれか2回 165,000円
全3回のうちいずれか1回 99,000円
【E】シミックグループ社員 全3回 110,000円
全3回のうちいずれか2回 88,000円
全3回のうちいずれか1回 55,000円
注意
テキストは当日会場にてお渡し致します。
<意見交換会について>
第1部7月10日、第2部10月2日、第3部12月18日は講習会終了後に意見交換会を開催予定です。(参加費別)
<キャンセルについて>
会期より1週間以内のキャンセルにつきましては、参加費を全額頂戴しますこと、予めご了承ください。

参加申込と申込期日

以下の参加申込フォーム(Googleフォーム)よりお申込みください。
申込フォームは第1部から第3部まで対応していますが、各講習会の申込期日は以下のとおりです。
第1部への参加申込期日:6月30日
第2部への参加申込期日:9月22日
第3部への参加申込期日:12月8日

申込フォームの送信後に登録いただきましたメールアドレスに「製剤技術伝承委員会」事務局より参加申込料の請求書、連絡事項をお送りします。セキュリティ上Googleフォームへの申込が出来ない場合は日本薬剤学会製剤技術伝承事業のメールアドレスにご連絡ください。

製剤技術伝承事業メールアドレス
Email: densho [at] apstj.jp
[at]を@に置き換えてください。

参加申込フォーム

https://forms.gle/D3kiejmSvDhjYwraA

ご登録は必ず参加者ご本人名義でお願いします。
賛助会員企業一覧はホームページ「賛助会員制度」でご確認ください。
https://www.apstj.jp/supporters/

本学会会員の方は、申込にあたり「会員番号」が必要です。会員番号がご不明な場合は、学会支援機構内会員管理事務局までお問合せください。
会員管理事務局メールアドレス member [at] asas-mail.jp
[at]を@に置き換えてください。

ご出席について

全講義の70%以上を受講された申込者に対し、希望者には講習会修了証書を送付致します。

お問合せ先

公益社団法人日本薬剤学会事務局 製剤技術伝承事業担当
ご連絡はメールでお願い致します。
Email: densho [at] apstj.jp

[at]を@に置き換えてください。