会長メッセージ

会長就任の挨拶

名古屋市立大学大学院薬学研究科 薬物送達学分野
尾関哲也

 2022年度定時総会および理事会において、2022-2023年度の理事・監事が承認され、新体制となりました。理事3名のみが重任で、理事8名、監事2名が新しく加わったフレッシュな執行部です。私自身はこれまでに本学会において、将来ビジョン委員、広報委員・委員長、英語セミナ―委員・委員長、FG委員・リーダー、国際標準医薬分業推進委員、評議員・代議員、国際連携担当理事(2014年から2期)、副会長・総務担当理事(2020年から1期)を務めさせていただきました。この度は、森部久仁一会長の後任として、第25代会長を拝命しました。公益社団法人化以来、代々の会長により行われてきた事業・改革(例えば、代議員制度導入、内閣府からの査察対応、事務組織強化・改革、コロナ禍での学会運営等)に引き続き、学会組織・運営についてさらに検討していきたいと思います。

 日本では2020年1月から新型コロナウイルス感染症が拡大し、パンデミックとなり昨年末から今年初めにかけてはオミクロン株による第6波がやってきて、これまで以上の感染拡大となりました。現在も感染者数は多いまま推移しています。そのため、2021年度の学会運営・事業活動はオンラインが中心でした(中止・延期を余儀なくされた事業もあり)。京都で開催予定だった日本薬剤学会第37年会「昭和、平成の薬剤学のレガシーと令和の薬剤学の将来展望」もオンライン開催でした。今後も感染状況に対応した活動をおこなう必要があります。しかしながら、徐々に次のステップも考慮しながらの学会運営を試みたいと思います。

 日本薬剤学会の活動は、4つの常設委員会、16の特別委員会、2つの分科会と事務局との連携によって行われます。FIP(国際薬学連合)やAFPS(アジア薬科学連合)との国際交流活動も継続していきたいと思います。

 mRNAリポソーム製剤のコロナワクチンは医薬の分野に非常に大きなインパクトを与えました。遺伝子などのニューモダリティ―医薬品(NME)です。NMEには新しい製剤技術・DDS技術が必要であり、NME薬の体内動態の把握・制御技術およびその評価法・分析法の開発が必要です。薬剤学が果たす役割は大きいものと考えます。

 日本薬剤学会は、薬剤学の進歩および普及をはかり科学、技術、文化の発展に寄与することを使命としています。最近の様々な行動自粛傾向の中、事業活動を継続・発展させるためには知恵を絞る必要があります。ぜひとも会員の皆様のご協力をお願いいたします。