第11回シミック製剤技術アカデミー/APSTJ製剤技術伝承講習会: 2012/6/14-7/27

2012-06-14 09:452012-07-27 16:55AP 名古屋・名駅 ical Google outlook

このページの目次

会期

2012/6/14-15, 7/26-27(各、木・金)

会場

AP 名古屋・名駅
JR東海道線 名古屋駅より徒歩約5分
名鉄・近鉄 名古屋駅より徒歩約2分

愛知県名古屋市中村区名駅4-10-25
名駅IMAIビル7・8F
Phone: 052-561-1109

ご案内

奥深い匠の技術と設計思想を学び、日本の技術力を更なる高みへ

薬事法改正を始めとする環境の変化に伴い、わが国で脈々と培われて来た製剤技術が散逸することが懸念される中、本学会では2006年に「製剤技術伝承委員会」を発足させ、製剤技術の伝承に努めて参りました。今回は「固形製剤の製剤設計と製造法」をテーマに、様々な分野のエキスパートにご講演いただきます。奮ってご参加下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。

社団法人日本薬剤学会会長 杉林堅次

製剤技術伝承委員会委員長 吉野廣祐

本講習会はシミックホールディングス(株)の協賛を得て運営されております

プログラム:第1日 6/14(木)

09:45-11:45
製剤設計・LCM戦略総論
~パラダイムシフトする「製剤開発」~

岩本 清
エーザイ(株)PC本部日本サイトマネジメント部 部長・理事

“本講義では製薬企業の「製剤設計・LCM」は、「もの作り」という本来の目的に加えて、製薬企業の「経営戦略」の重要要素の一つへ大きく変貌してきていることを例示し、それを踏まえた上で製剤設計・LCM製剤開発において取るべき戦略をスピード、低コスト、成功確度、多様なニーズに応えるという観点から演者の考えや経験を述べたい。さらに製剤設計の戦略として考慮すべき最近のレギュレーションとその対応についても考え方を紹介する。「創剤」は顧客(特に患者様)に想いを馳せる「想剤」でなければならないと思う。製剤設計には顧客の真のニーズ゙をキャッチし、技術で応えるという顧客への想いが入ってなければならないこと、最初に目標として立てた製剤機能のエンドポイントを妥協せず粘り強く達成する努力をしてほしいことを若い製剤研究者の方々に伝えたい。”


12:45-14:45
製剤のバイオアベイラビリティと生物学的同等性

村主教行
塩野義製薬株式会社CMC技術研究所製剤研究センター

“医薬品の使命は,病気を治療することである.原薬だけでは単なる化合物であり,製剤になって医薬品となる.用語の定義から外れた言い方ですが,製剤の視点からは,有効成分を作用部位に送達させる能力が製剤のbioavail”ability”(能力) (BA)であり,製剤の病気を治療する能力とも考えることができる.製剤を造るとき,BAを低下させるのは勿論だめであるが,BAを高めるのも副作用のリスクが高くなるのでだめということになる.BAが変わらないように製造しなければならない.これが生物学的同等性 (Bioequivalence, BE) を担保するということになる.製剤を造るというのは,製剤に治療能力を込めることであると考えています.”


14:55-16:55
製剤および製造における新しい評価法

寺田勝英
東邦大学薬学部 教授

“近年の製剤開発では、原薬の物理化学的特性や製造工程を科学的に評価することが求められている。さらに原料の物理的特性の微細な違いが製品の品質に影響を受けないような製剤設計、品質に影響を及ぼす重要工程や工程のエンドポイントに工程分析機器を活用して工程管理する手法が推奨されている。製剤技術、機械技術などの革新とともに分析技術や解析技術の進歩もあいまって、柔軟な発想に基づいた科学的な医薬品の品質保証が重要になると思われる。本講義では、物性分析技術が原薬や製剤の品質評価にどのように応用でき、製品の品質向上にどのように応用できるかをお話ししたい。”


16:55-18:25
情報交換会

プログラム:第2日 6/15(金)

09:45-11:45
造粒・混合・打錠技術―錠剤の基本プロセスとその応用―

槇野 正
京都薬品工業株式会社 取締役・創剤研究部長

“武田薬品で製剤研究(固形製剤)一筋40年の経験がある。得意分野は、製剤設計から製品化まで、製剤プロセスでは特に造粒、混合、打錠、コーティング技術そして品質確保としての安定化、徐放化、新剤形としての口腔内崩壊錠に力を入れてきた。今回は、「造粒・混合・打錠技術で錠剤の基本プロセスとその応用」である。(1)造粒では、流動層造粒のスーパースケールアップ(2)混合では、重要工程の滑沢剤との混合(3)打錠では、口腔内崩壊錠の打錠障害等を含め説明したい。製剤は所詮「水との闘い」「摩擦の利用」にあるが、思わぬ失敗もある。しかし多くの商品と技術も生まれた。匠の技は、夢・執念・意地→追求かもしれない。”


12:45-14:45
コーティング作業者の製剤技術 錠剤のFilm Coating

大谷茂義
ニプロ株式会社医薬品研究所 顧問

“2007年3月から始まった製剤技術伝承講習会で、「流動層造粒押出造粒・乾燥」「混合・撹拌造粒」「異物混入交叉汚染防止」「打錠障害」などをテーマに、製造現場の作業者が体験する現象や問題となる原因対策などを話してきた。 今回も引き続く形で、「錠剤のフィルムコーティング」について若い方たちに伝承すべき注意事項やコーティング条件の設定方法、ノウハウを話したい。 錠剤のコーティング法は基剤の開発、使用法の拡大、合わせてコーティング機の開発、改良も進んでいるので紹介もしたい。”


14:55-16:55
経口固形製剤の工程最適化およびスケールアップ

谷野忠嗣
塩野義製薬株式会社CMC研究所製剤研究センター センター長

“経口固形製剤の製造プロセス、例えば、造粒工程や混合工程におけるスケールアップ則は一般解として確立されているとは言いがたく、経験則やケーススタディが支配的となっている部分の存在は否定できない。しかし、臨床に使用された治験薬と商用生産品の品質同等性を確保し、安定した品質の医薬品を恒常的に市場へ供給するためには、スケールアップは非常に重要な技術である。他方、製剤開発に関するガイドライン補遺には「デザインスペースはいかなるスケールでも開発可能である」との記載がある。この場合、小スケールで開発されたデザインスペースが実生産スケールで有効であることを証明するにはやはりスケールアップ技術は不可欠である。本講義では、可能な限り実例やPATツールなどを引用しながら、平易に工程最適化やスケールアップの実際について紹介してみたい。”

プログラム:第3日 7/26(木)

09:45-11:45
難水溶性薬物の製剤設計

沖本和人
東和薬品株式会社製剤技術センター センター長

“約30年間の製剤開発を通じて、難水溶性薬物の可溶化、吸収改善を必要とする製剤設計を多く経験してきた。特に、難水溶性薬物の製剤を効率よく設計するために、薬物の特性に応じたアプローチ法の体系化は重要である。今回、難水溶性薬物の製剤設計を通じて得た知識、確立した技術および経験等(固体分散体、ナノ技術等)を、若手研究者に紹介したい。”


12:45-14:45
経口放出制御製剤の設計

迫 和博
アステラス製薬株式会社製剤研究所 所長

“経口放出制御製剤は、薬理効果増強や副作用軽減等の直接的な臨床上のメリットだけではなく、服用アドヒアランス改善等を含めて、製品価値向上につながる可能性が高い。しかしながら、消化管を下降しながら異なる環境下で薬物放出する経口剤はin vitroにおける製剤設計が必ずしもin vivoでの薬物吸収挙動を反映しないケースが多い。本講演では、我々が開発した持続吸収型経口徐放システムOCAS®の開発経緯と製品化(Omnic OCAS®)を具体例の一つとして、徐放製剤を開発する場合の課題や留意点につき紹介することで、今後の研究や開発の一助となればと考える。”


14:55-16:55
苦味マスキング技術
―「良薬口に苦し」から美味しい口腔内崩壊錠まで―

岩田基数
大日本住友製薬株式会社製剤研究所 シニアスペシャリスト

“医薬品における味(特に苦味)のマスキングは、かつては、主として散剤やシロップ剤などの服薬コンプライアンス向上を目的とした技術であり、限られた製品に適用されてきた。近年、口腔内崩壊錠技術の急速な進歩により、錠剤自体の基本的な性能はほぼ満足のいくものが得られるようになった。これに伴い、医薬品の苦味の問題は大きくクローズアップされるようになり、現在では、より服用しやすい製剤を目指して、各社が独自の工夫により味のマスキング技術を競い合うまでになった。医薬品において、その味は例外的に当局の規制がない品質であり、研究の対象としても自由度が高い。言い換えれば製剤研究者の腕の見せ所でもある。今後も、若い研究者のユニークな発想による優れたマスキング技術が、更なる製剤技術の発展に貢献することを期待しています。”


16:55-18:25
情報交換会

プログラム:第4日 7/27(金)

09:45-11:45
クスリ新時代を拓いた口腔内崩壊錠
─黎明から進化 そして深化へ─

増田義典
耕薬研究所 代表

“口腔内崩壊錠は、クスリ新時代を拓いた、拓きつつある製剤であると思慮する。口腔内崩壊錠の黎明から進化、そして深化への潮流と技術の概要についてエピソードを交えて紹介する。”未来は創るもの””健康へのアシスト”の考え方で口腔内崩壊錠を日本発のグローバル製剤としたいもの。”


12:45-14:45
医薬品包装技術者の使命を考える 2012

久保田清
第一三共株式会社製剤技術研究所

“包装研究分野のグローバルトレンドと医薬品包装分野で取り組まなくてはならない課題を紹介します。最近の包装技術研究のトレンドを3つのキィーワードで示すと、IT、サステナブル、人間科学となります。 これに関連して、製剤技術とコラボする課題(DDS、易服薬製剤、在宅医療に適した製剤)、製剤研究で応用展開可能な課題(シミュレーション技術、ユニバーサルデザイン)及び現在は包装分野特有の課題(インテリジェント包装、自動認識表示、バイオマス)を解説いたします。”


14:55-16:55
製剤開発研究における品質リスクマネジメントの活用

石川英司
大日本住友製薬株式会社製剤研究所 グループマネージャー

“「有効性・安全性に優れた医薬品を、一日も早く、患者さんのもとに届け、安定して供給し続ける」ことは公衆衛生行政と製薬企業に課せられた使命であり、承認審査や査察などの医薬品の科学的評価が高い専門性をもって効率的、合理的になされ、生産現場への技術移転が効果的に実施されることが期待される。そのためには、製剤処方・製法のナレッジが科学とリスクマネジメントに基づいた研究から蓄積され、確実に伝達されなければならないことを製剤研究や工業化研究に携わる者はよく認識する必要がある。本講義では、ICH Q8、Q9ガイドラインが発するメッセージを、Quality by Design事例研究「サクラ錠」の内容も織り交ぜながら紹介したい。”

司会、情報交換会には「製剤技術伝承委員会」から製剤のエキスパートが参加し、話題を提供します。

  1. 各コマ内訳: 講義90分+討論30分
  2. 講義名・講師は予定。またプログラムは予告なく変更されることがあります。
  3. カメラ等の録画・録音機器の持ち込みは禁止とさせていただきます。
  4. プログラムは仮題であり、予告なく変更されることがあります。

参加区分と参加費

  1. 参加費には、全編または前後編の講義並びに懇親会への参加・テキスト(前後編の各初日に配布)が含まれます。
  2. ご登録は必ず参加者ご本人名義でお願いします。
  3. 参加登録フォームは、区分【A】【B】と区分【C】【D】【E】で異なりますのでご注意下さい。
  4. 参加登録受付は学会支援機構のオンライン参加登録システム(SSL接続)を使用しています。
  5. 本学会会員(区分【A】【B】)の方は、登録時に「会員番号」「パスワード」が必要です。(ご不明の場合はこちら
参加区分 参加費 参加登録フォーム
【A】本学会会員-企業所属 120,000円 区分【A】【B】での登録
【B】本学会会員-大学・病院等所属 80,000円
【C】本学会賛助会員企業社員 120,000円 区分【C】【D】【E】での登録
【D】本学会非会員 150,000円
【E】シミックグループ社員 80,000円

ご出席について

全講義の70%以上を受講された申込者に対し、講習会修了証書をご所属先上長様宛に送付致します。また、当初お申込の方による当日のご出席が不可能な場合は、一定の条件(以下参照)を満たす代理人による出席を認めます。

代理人の条件等

参加区分【A】【B】

代理人の条件:本学会会員であること。

代理出席の方法:Emailによる事前申請が必要です。以下のフォームをメッセージ本文にペーストし、必要事項をご入力の上、タイトルを「製剤技術伝承講習会代理出席申請書」として事務局までお送り下さい。

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(1)参加登録者の氏名: [       ]

(2)代理出席者の氏名: [       ]

(3)代理出席者の会員番号: [129-   -    ]

(4)代理出席を申請する講習会: 第[  ]日 / [  月  日]開催分

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参加区分【C】【D】【E】

代理人の条件:同一企業社員

代理出席の方法:当日、会場受付に(1)当初登録の参加者の名刺 と (2)代理出席者の名刺の両方を提出して下さい。

いずれの場合も、代理人は1日につき1名、全日程を通して2名までと致します。

お問合せ先

公益社団法人日本薬剤学会事務局
Phone: 03-5981-6018, Email: apstj [at] asas.or.jp