第10回シミック製剤技術アカデミー/APSTJ製剤技術伝承講習会: 2012/1/26-2/24

2012-01-26 09:452012-02-24 16:40新大阪ブリックビル3F ical Google outlook

会期

2011/1/26-27, 2/23-24(各、木・金)

会場

新大阪ブリックビル3F

JR新大阪駅より徒歩約3分

大阪府大阪市淀川区宮原1-6-1
Phone: 06-6397-1817

ご案内

奥深い匠の技術と設計思想を学び、日本の技術力を更なる高みへ

薬事法改正を始めとする環境の変化に伴い、わが国で脈々と培われて来た製剤技術が散逸することが懸念される中、本学会では2006年に「製剤技術伝承委員会」を発足させ、製剤技術の伝承に努めて参りました。今回は「非経口製剤の製剤設計と製造法」をテーマに、様々な分野のエキスパートにご講演いただきます。奮ってご参加下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。

社団法人日本薬剤学会会長 杉林堅次

製剤技術伝承委員会委員長 吉野廣祐

本講習会はシミックホールディングス(株)の協賛を得て運営されております

プログラム:第1日 1/26(木)

司会:槇野 正

9:45-11:45
注射剤総論

徳永雄二, 澤井製薬株式会社製剤研究部 部長・理事

“注射剤は直接体内に投与される無菌製剤であり、その製剤開発には、経口剤等の非無菌製剤とは異なる知識や経験が要求される。本製剤技術伝承講習会では、凍結乾燥注射剤、キット製剤、タンパク・核酸医薬、無菌工場の設計、無菌管理・バリデーションに関して、専門家の先生方が具体的かつ詳細に解説されると思いますので、私の講義では、注射剤の処方設計~工業化に至るまでの各ステージについて、留意すべき点等をまじえながら概説したいと考えています。今後、バイオ医薬品の成長とともに、注射剤関連技術の重要性はますます増大すると確信しています。”


12:30-14:30
凍結乾燥製剤化検討の実際

清水隆弘, アステラス製薬株式会社製剤研究所注射剤研究室

“凍結乾燥製剤の処方設計から生産移行にかけての経験に基づく実例を紹介するつもりです。私事ながら,このような一気通貫した製剤開発業務に携われた経験は何事にも変えられない宝だと思っています。 処方開発,製造法開発,変更管理,等の若干狭い領域で深い知識を集積している方々も居られると思います。もし可能であれば,細かい実験から製品化・商業化をカバーできるような人材になろうとする心を持って下さい。 経験論ですが,たまたま大きなPJに出会える人は,必ずと言っていいほど,日常から知見集約に貪欲な人たちだったと思います。どうぞ,そのような研究開発PJに出会えて,始めから最後までカバーできる研究開発者になっていただきたいと思います。”


14:40-16:40
キット製剤について ―特に、輸液のキット化について―

青木光夫, 株式会社大塚製薬工場輸液情報センター 技術顧問

“キット製品について概説し、キット化することではじめて可能となった患者さんに優しい輸液製剤などを製剤化の具体的事例をもとに紹介する。 多成分からなり、水溶液である輸液製剤の製剤化を理解いただくことで、単に原薬を注射用水に溶かすだけではないことを汲み取っていただければそれだけでも良い。 輸液キット製剤の医療現場での有用性と課題などについてもふれる。 最後に、輸液のキット製剤を紹介することで、皆さんの製剤設計上での新たな工夫のヒントとなれば幸いです。”


16:45-18:15
情報交換会

プログラム:第2日 1/27(金)

司会:谷野忠嗣

9:45-11:45
タンパク・核酸DDS製剤開発の留意点―私の体験から―

藤岡敬治, DSファーマアニマルヘルス株式会社 常務取締役・開発本部長

“本講義では、演者らが、独自に創成したタンパク・核酸医薬のDDS製剤であるミニペレットおよびシリコーン製剤の開発過程(最初の着想から製剤設計、製造装置の開発、臨床開発、承認申請に至る)で学んだ多くのことの一端を紹介すると共に33年間の製剤研究の中で主に従事してきた注射剤とDDS研究の経験を踏まえ、会社での研究の進め方もアドバイスしたい。また、近い将来到来すると思われる高機能性製剤(治療システム)の時代に向けて演者の想いを伝え、若い製剤研究者の方々が、複合科学としての製剤技術を駆使して、治療システムの総合設計師として主導されることを強く期待したい。”


12:30-14:30
無菌製剤工場の設計

中村健太郎, 日揮株式会社産業・国内プロジェクト本部ライフサイエンスエンジニアリング部

“無菌製剤の製造プロセスの特徴、設備設計のポイント、アイソレータ/RABS、ゾーニング、生産設備構築手順などについて説明します。無菌コアを守るための様々な機能の組み合わせにより、無菌製剤工場は成り立っています。各機能の役割を正しく理解することで皆さんがお勤めされている工場を、ユーザー側の視点だけでなく工場を設計するという視点からも見ることが出来るようになって頂ければと思います。”


14:40-16:40
無菌管理・バリデーション

片山博仁, バイエル薬品株式会社 執行役員・プロダクトサプライジャパン本部長

“無菌操作法は論理学と科学、政治学、社会学、哲学を必要とする極めてユニークな製造方法である。微生物のコンタミネーションが無いということを、10-6のレベルで保証しなければならない。そのためには製造中に微生物が全く混入しなかったことを、目には見えず、すぐには検出できないが、製造環境のごく一部をモニタリングし、証拠としなければならない。さて、何をどれだけ集めると満足できるのか? ガイダンスなどに様々なことが書かれている。科学的な根拠が明確なものと、そうではないものがあり、歴史の蓄積の中でその両方が実際には要求されている。要求されていることをやればいいと思う人と、納得しないことはやりたくない人がいる。こういった議論に強い国とそうでない国がある。”

プログラム:第3日 2/23(木)

司会:田畑哲朗

9:45-11:45
貼付剤の製剤設計留意点

肥後成人, 久光製薬株式会社 執行役員・研究開発本部本部長

“今回は、臨床で用いられている経皮吸収型製剤(TDDS: Transdermal Drug Delivery System)の製剤的特性について解説し、その特性を各構成成分の機能面から掘り下げた講義とする。TDDSは、臨床応用の点から、成功したDDSのひとつであるといえる。皮膚から薬物を吸収させることで、多くの臨床的有用性をもたらすことが実証されているが、そのためには開発早期の段階で十分に練られたTPP(Target Product Profile)に向けて製剤を設計する必要がある。製剤設計者の醍醐味は、このプロセス通して味わえる達成感である。その中での苦労話も是非紹介したい。”


12:30-14:30
医薬品外用剤(軟膏/クリーム/ローション)の設計とスケールアップ技術

堀沢栄次郎, マルホ株式会社研究部製品研究グループ マネージャー

“医薬品外用剤の設計は,病気に有用な薬物を投与し易くするという剤形付与の考え方から進展してきたが,近年では,アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚疾患に,直接塗布して皮膚を治療する「局所の製剤化研究」にシフトしてきた.今回は,病態皮膚に適用するコンベンショナルな製剤(軟膏剤/クリーム剤/ローション剤)を処方化するときの基本的な考え方から,スケールアップ,プロセスバリデーションに至るまでの事例を基にした設計法と,これに必要な製品化技術について,系統立てて説明したい.”


14:40-16:40
非経口製剤の生物学的同等性試験法
-局所皮膚適用製剤を中心として-

山内仁史, ニプロパッチ㈱研究開発部 取締役部長

“局所皮膚適用製剤を中心にして、後発医薬品、剤形追加及び処方変更に関する最新のガイドラインをもとに失敗例も踏まえながら解説します。患者さんの目に直接触れ、まず評価されるのは医薬品の顔とも言うべき製剤であり、モノづくりの楽しさ、やりがいや難しさを感じています。今後も創剤という観点から、患者さんのQOL向上を目指して、仲間とともに精進を重ねてゆきたいと思います。”


16:45-18:15
情報交換会

プログラム:第4日 2/24(金)

司会:吉野廣祐

9:45-11:45
経肺製剤の設計と製造方法

牧野悠治, 徳島文理大学香川薬学部製剤学講座 教授

“くすりの効果的な投与方法を考案することに魅せられて長い間いろいろとやって来ましたが、なかなかうまくいきません。理由は、生体の巧みな仕組み、つまり必要なものだけを受け入れ、不要なものは排除してしまうという異物に対する防御機構を容易に克服できないからです。経肺製剤についても、先ず気道の解剖学、生理学といった基礎を学んだ後、そこへの薬物送達方法、製剤の製造方法などについて解説したいと思います。”


12:30-14:30
点眼剤総論

中田雄一郎, 参天製薬株式会社生産技術センター バリデーション室長

“講義は眼の構造と機能、点眼剤の処方開発、前眼部DDSを中心に進め、点眼剤独自の使用上の注意点についても言及します。製剤開発ではなく、処方開発という言葉を用いたのは、点眼剤の製剤設計には添加剤の組み合わせや濃度などの処方設計が特に重要だという意味を込めています。難溶性で、不安定で、容器に吸着し易いなどの性質をもつ化合物が多いかと思いますが、そこを知恵で解決し、工業化に結びつける技術開発が重要であると考えています。”


14:40-16:40
日局16 製剤総則について

柘植英哉, 社団法人東京医薬品工業協会局方委員会 委員長

“日本薬局方・製剤総則は、新しい剤形が収載されていないなど多くの課題が存在した。日本薬局方原案審議委員会・製剤委員会において、10年近く検討が進められ、第十六改正(2011年4月施行)において、従来の分類法の変更、多くの新規剤形の収載など50年ぶりの抜本的な改正がなされた。業界代表として製剤総則の見直し作業に積極的に加わった立場から、製剤総則改正に至った背景、製剤総則の内容、今後の課題等を紹介し、製剤研究に係る方々のお役に立てればと考える。”

司会、情報交換会には「製剤技術伝承委員会」から製剤のエキスパートが参加し、話題を提供します。

  1. 各コマ内訳: 講義90分+討論30分
  2. 講義名・講師は予定。またプログラムは予告なく変更されることがあります。
  3. カメラ等の録画・録音機器の持ち込みは禁止とさせていただきます。
  4. プログラムは仮題であり、予告なく変更されることがあります。

参加区分と参加費

  1. カッコ内の金額は、前後編各2日間のみ参加の場合の参加費です。
  2. 参加費には、全編または前後編の講義並びに懇親会への参加・テキスト(前後編の各初日に配布)が含まれます。
  3. ご登録は必ず参加者ご本人名義でお願いします。
  4. 参加登録フォームは、区分【A】【B】と区分【C】【D】で異なりますのでご注意下さい。
  5. 参加登録受付は学会支援機構のオンライン参加登録システム(SSL接続)を使用しています。
  6. 本学会会員(区分【A】【B】)の方は、登録時に「会員番号」「パスワード」が必要です。(ご不明の場合はこちら
参加区分 参加費 参加登録フォーム
【A】本学会会員-企業所属 120,000円
(80,000円)
区分【A】【B】での登録 >>>
【B】本学会会員-大学・病院等所属 80,000円
(50,000円)
【C】本学会賛助会員企業社員 120,000円
(80,000円)
区分【C】【D】での登録 >>>
【D】本学会非会員 150,000円
(90,000円)

ご出席について

全講義の70%以上を受講された方に対し、講習会修了証書をご所属先上長様宛に送付致します。また、当初お申込の方による当日のご出席が不可能な場合は、一定の条件(以下参照)を満たす代理人による出席を認めます。

代理人の条件等

参加区分【A】【B】

代理人の条件:本学会会員であること。

代理出席の方法:Emailによる事前申請が必要です。以下のフォームをメッセージ本文にペーストし、必要事項をご入力の上、タイトルを「製剤技術伝承講習会代理出席申請書」として事務局までお送り下さい。

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(1)参加登録者の氏名: [       ]

(2)代理出席者の氏名: [       ]

(3)代理出席者の会員番号: [129-   -    ]

(4)代理出席を申請する講習会: 第[  ]日 / [  月  日]開催分

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参加区分【C】【D】

代理人の条件:同一企業社員

代理出席の方法:当日、会場受付に(1)当初登録の参加者の名刺 と (2)代理出席者の名刺の両方を提出して下さい。

いずれの場合も、代理人は1日につき1名、全日程を通して2名までと致します。

お問合せ先

社団法人日本薬剤学会事務局
Phone: 03-5981-6018, Email: apstj [at] asas.or.jp