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おくすりQ&A 質問と回答

質問一覧

【食後服用の意義】 内服薬は、「食後に服用して下さい」との指示が多いがなぜ?食後服用の意義とは?
【服用中止は可能?】 1週間分の薬を頂いたのですが、3、4日で具合が良くなりました。服用を中止するべきですか。それとも続行すべきですか。
【小児用のお薬をたくさん飲めば、大人にも効きますか?】 小児用のお薬をたくさん飲めば、大人にも効きますか。また、大人用しかないとき、量を減らせば子供に飲ませても大丈夫ですか。
【検査のため抜いた薬,あとで飲んだ方がよい?】 朝検査があり、朝食後のくすりを服薬していないのですが、今から服用しても良いでしょうか?
【水での服用】 どうしてお茶やジュースでなく、水で飲むようにと言われるのですか。
【貼りぐすり、貼る位置で効き目が違う?】 狭心症の貼り薬は、心臓の付近に貼った方が良く効きますか?
【柑橘類とくすりとの相互作用】 処方されたくすりとの相互作用との関係で、グレープフルーツを摂らないようにと指示されました。他の柑橘類も摂ってはいけないのでしょうか?
【サプリメントとくすりの飲み合わせ】 サプリメントと薬の飲み合わせは大丈夫ですか。
【レバー(肝臓)をお薬と一緒に飲んではいけない?】 お薬は肝臓で代謝されると聞きました。レバーを食べた後に薬を飲んだら効きませんか?
【薬をすり潰して飲むと早く効くって、本当?】 頭痛持ちの友人が、痛み止めの錠剤をすり潰して飲むと早く効くと言っていましたが、本当でしょうか?
【吸入ステロイドの副作用が心配】 子どもが喘息にかかり吸入ステロイド剤が処方されています。ステロイドの副作用が心配なのですが。
【くすりの保存・保管】 風呂場近くのキャビネットにくすりを保管しているが、良いでしょうか?
【冷蔵庫での保存】 くすりは冷蔵庫で保存した方がよいのでしょうか?
【炎天下のくすり、大丈夫?】 もらったくすりを炎天下の車内に置き忘れたのですが、飲んでも大丈夫でしょうか?
【ジェネリック医薬品の効き目】  ジェネリック医薬品は本当に同じ効き目なのでしょうか?
【お薬の色は天然成分?】 お薬には色がつけてありますが、どのような色素を使っているのですか。
【お薬の添加物は安全?】 薬局で買ったお薬の説明書を見ると、添加物の名前がいくつか書いてありました。添加物はない方が安全そうな気がするのですが、添加物なしでお薬はできないのでしょうか。
【タミフルの妊婦・胎児への影響】 妊娠16週で新型インフルエンザにかかり、タミフルを処方されました。タミフルの妊婦・胎児への影響について教えて下さい。
【添加剤とは?】 賦形剤や崩壊剤など薬に入っている様々な添加剤の意味を教えて下さい。例えば、崩壊剤とはどういう原理で、こういう目的で入れていますというように教えていただければ幸いです。
【シロップ用の粉薬】 水を加えシロップとして飲むようにと書いた薬をもらいました。粉のまま飲んでもいいでしょうか?
【グレープフルーツとクスリ】 グレープフルーツを食べた後は、くすりを飲んではいけないと聞きましたが本当でしょうか?くすりを飲むときに他に注意すべき食べ物はありますか?
【去年処方されたクスリの使用】 冬になると、何時も咽喉が腫れて熱を出すのですが、去年同じ症状でもらった抗生物質と解熱剤が残っています、これを飲んでもいいでしょうか?
【粉薬と牛乳】 とても苦い粉クスリを薬局でもらいました。牛乳と一緒に飲んでもいいでしょうか?
【錠剤は砕いて飲んでも大丈夫?】 子供(7才)が病院からもらった錠剤を飲み込むことができません。錠剤を砕いて飲ませてもいいでしょうか?

内服薬は、「食後に服用して下さい」との指示が多いがなぜ?食後服用の意義とは?

食後服用とは、通常食事のおよそ30分後またはそれ以内に服薬します。一般的には内服薬は1日3回服用する場合が多く、忘れないで決まった時間に服薬するための目安として食後服用するくすりが多いこともありますが、 特に食後に服薬する事によってくすりの効果がより有効に発揮されること、くすりによる有害な作用を防ぐ事を期待して、食後に服薬する場合が多く有ります。例えば、痛み止めのくすりとして服用される非ステロイド抗炎症薬などは、内服したときの胃腸障害をできるだけ軽減するために、食後に服用することをお奨めします。食物の消化吸収を助ける消化酵素薬は、食事の後の服薬で食物の消化や吸収を促進し、有効な効果を発揮します。内服薬には、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤(粉薬)液剤等の剤形があります。くすりが包装シートに入っている場合は、包装シートから押し出して、くすりを取り出し、コップ1杯のぬるま湯か水で飲んで下さい。

1週間分の薬を頂いたのですが、3、4日で具合が良くなりました。服用を中止するべきですか。それとも続行すべきですか。

症状が治まってきたからといって勝手にくすりの服用を中止してはいけません。前もって指示がない場合は、お医者さんや薬剤師に相談してから中止して下さい。たとえば、副腎皮質ステロイドホルモン、血圧降下薬、抗不整脈薬などは、勝手に服用を中止するとリバウンド現象といってかえって症状が悪化することもありますし、血圧降下薬の効き目が現れていないとお医者さんが診断してしまう恐れがあります。また、抗生物質では勝手に服用を中止すると、今まで飲んでいた抗生物質が効かなくなる耐性菌が発現することもあります。

小児用のお薬をたくさん飲めば、大人にも効きますか。また、大人用しかないとき、量を減らせば子供に飲ませても大丈夫ですか。

小児用のお薬をたくさん飲めば、大人にも効くと思います。しかし,何倍飲めば良いかということはお薬によって違いますので、むやみに小児用をたくさん飲むという使い方はおやめ下さい。また、同じ商品名でも小児用と大人用では成分が違うことがあります。お薬の対象年齢以下の子供に、大人用の量を減らして飲ませることは危険ですからやめて下さい。

参考:小児投与量の決め方
小児に対する投与量の調整は年齢、体重、体表面積などを目安にして行います。薬物によって体の中での分解の仕方(代謝)や効き方が違い、また、小児の身体の発達の仕方も比較的早くに大人と近くなる部分やそうでない部分があります。つまり、「子どもは小さな大人ではない」ので,小児投与量の決め方は複雑で、一概に大人の何分の一のようなことは言えません。

朝検査があり、朝食後のくすりを服薬していないのですが、今から服用しても良いでしょうか?

1日1回朝服用あるいは1日2回朝夕服用の薬であれば、お昼頃でもかまいませんので、服用して下さい。1日3回食後服用のくすりであれば、検査終了がお昼に近ければ朝の分は飲まないで下さい。2回分をまとめて一度に飲んだり短い時間間隔で飲むと、副作用が出る場合もあります。

どうしてお茶やジュースでなく、水で飲むようにと言われるのですか。

薬を服用する時には、心不全や腎障害などで水分制限を受けている患者さんを除いて、一般にコップ一杯の水が必要です。錠剤やカプセル剤を少量の水で服用すると、薬が食道に付着して食道潰瘍を引き起こすこともあります。また、飲み物との相互作用がある薬物があります。たとえば、血圧を下げる薬の一部は、グレープフルーツジュースで飲むと血圧を下げすぎてしまうから要注意です。お茶類はカフェイン、タンニンが多く含まれている、牛乳はCaが多く含まれるなど、薬との相互作用がある物質が含まれています。水以外の飲料には、こういったケースを心配する必要があり、水で飲むのが一番安全ということになります。

狭心症の貼り薬は、心臓の付近に貼った方が良く効きますか?

ニトログリセリンなどの狭心症の発作予防に使われる貼りぐすりでは、腕や背中などより心臓の上に貼る方が、よく効くということはありません。貼り薬には、貼ったその場所で薬が効果を示す局所作用型と、皮膚から吸収されて血流に入り全身に行き渡る全身作用型の2つの種類があり、狭心症の貼りぐすりは後者のタイプだからです。ただし、吸収されやすさは貼る場所の皮膚の厚さなどの影響を受けますので、胸、腕、背中、腰などに貼ります。また、毎日同じ場所に貼っているとかぶれてきますので、貼る場所はずらすようにしましょう。

処方されたくすりとの相互作用との関係で、グレープフルーツを摂らないようにと指示されました。他の柑橘類も摂ってはいけないのでしょうか?

高血圧治療に用いるカルシウム拮抗薬をはじめ、グレープフルーツやグレープフルーツジュースを一緒に摂ることによって、効果が強く現れるくすりは少なくありません。これは、グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという成分が薬物を分解する代謝酵素(酵素の名前はCYP3A4)の働きを悪く(阻害)するため,ある種の薬物の分解が抑えられ、結果として吸収量が多くなってくすりが効きすぎてしまいます。くすりを注射したときには起こらないことから、くすりとグレープフルーツの成分が相互作用を起こしているのは消化管であると考えられています。フラノクマリンはグレープフルーツの仲間であるスウィーティやポメロ(ブンタン)、サワーオレンジ(ダイダイを含む)などにも含まれるため同様の注意が必要ですが、柑橘類のうちでも、ミカン、レモン、カボス、バレイシアオレンジなどには含まれていません。また、服薬の前後4時間をはずせば、グレープフルーツ類を食べても薬効への問題はありません。日本人は、欧米人に比べてグレープフルーツを食べる機会は少ないかもしれませんが、旅行先のホテルでの朝食バイキングなどで、グレープフルーツジュースをうっかり飲んでしまいそうですね。

サプリメントと薬の飲み合わせは大丈夫ですか。

特定のサプリメントとくすりの飲み合わせによっては避けるべきものがあります。くすりによっては、鉄やカルシウムと一緒に飲むと吸収されなくなるものがあります。また特定の成分によってはからだが薬物を分解する能力が低下して、服用しているくすりによる作用及び副作用が強く出る場合もあります。サプリメントに限らず他のくすりや食べ物との組み合わせによってもくすりの効果が弱くなったり、又は、強く出ることがあります。薬剤師は調剤したくすりを患者樣に渡す際には、そのくすりについての危険な飲み合わせについて説明をしますが、常用されているか、特に気になるサプリメントなどがある際は、具体的に名前を挙げて尋ねて下さい。

お薬は肝臓で代謝されると聞きました。レバーを食べた後に薬を飲んだら効きませんか?

レバー内に含まれるお薬を代謝する酵素はそのほとんどが活性を失っており、また体内にも吸収されにくいことから、ご質問にある理由からはご心配はありません。ただし、レバー中には蛋白質やビタミンが豊富に含まれており、お薬によってはレバー中に含まれるこれらの成分によってお薬の効き目が強くなり過ぎたり、副作用が現れたり、逆にお薬の効き目が弱くなったりすることがあります。お薬を渡されたときにお薬を飲む時間と食事を一定時間以上開けるように指示がある場合はきちんと守りましょう。

レバーにより効き目が強くなり過ぎたり、副作用が現れたりすることがあるお薬の例:
ワーファリン、ジゴキシン

レバーにより効き目が弱くなることがあるお薬の例:
レボドパ、フェニトイン

頭痛持ちの友人が、痛み止めの錠剤をすり潰して飲むと早く効くと言っていましたが、本当でしょうか?

錠剤には、薬効成分が徐々に放出されて効果が持続するように工夫してあるもの(徐放性製剤)、成分が胃の中で溶けず腸の中で溶けるように工夫してあるもの(腸溶性製剤)、成分の苦味や臭いが強、吸湿性があるなどの理由で錠剤にコーティングがしてあるものなどがあります。このような薬をすりつぶしてしまうと、十分に効かなかったり、胃にダメージを与えたり、飲みにくくなったりしてしまいます。また、薬効成分が一気に溶け出して非常に危険な場合もありますので、自分の判断で錠剤をすりつぶして服用してはいけません。どうしてもすりつぶす必要がある場合には、薬剤師にご相談下さい。

子どもが喘息にかかり吸入ステロイド剤が処方されています。ステロイドの副作用が心配なのですが。

気道の炎症である喘息の治療において吸入ステロイド剤はとても効果的であり、現在では喘息治療の主役となっています。指示通りに使用していれば、副作用が現れることは少なく安全なくすりですから、安心してお使いになって下さい。ステロイド薬が喘息の特効薬であることは古くから知られていましたが、かつては錠剤などで経口投与されていたため、投与量も多くその副作用が問題でした。一方、吸入ステロイド薬は、炎症を起こしている気道または肺に吸入によって直接薬物を投与するため、経口投与の場合に比べて、投与量が極めて少なくてすみます。また、ほとんどの吸入ステロイド薬は肺や消化管から吸収され全身の血液循環に入ると速やかに体内で分解され、活性の弱い化合物に変化するように薬物自体が化学的に工夫されています。こうした工夫がなされた薬物は「アンテドラッグ」と呼ばれ、ステロイド剤の副作用を軽くするためにとても有用であり、吸入剤だけでなく軟膏剤に用いる多くのステロイド薬にもこの技術が応用されています。

風呂場近くのキャビネットにくすりを保管しているが、良いでしょうか?

湿気の多い風呂場の近くや夏の直射日光の当たる窓際など、高湿・高温な場所にくすりを保管しないで下さい。また、そのような場所にくすりを置き忘れたりしないよう注意して下さい。錠剤やカプセル剤は長時間湿度の高い場所に置かれると、形が変化したり、割れ目が出来たり、変色が見られることもあります。たとえ見かけ上は変化がない場合でも高温、高湿の過酷な条件下に置かれると有効成分が変質し、有害な作用を与える場合もあります。くすりは、日光や湿気を避けて涼しい乾燥した場所に保管し、使用期限内に安全に使いましょう。また、子供が誤って飲まない様に、くすりは子供の手の届かない安全な場所に保管することが大切です。

くすりは冷蔵庫で保存した方がよいのでしょうか?

薬の多くのものは化学物質でできています。湿度、温度、光などの条件に影響されて分解します。分解されるとその分有効成分が減っていき、効き目が弱くなってしまいます。それだけではなく、分解によって新しく生まれた化学物質が体に副作用を与えることもあります。また、水剤、軟膏などは、微生物も繁殖しやすいので注意が必要です。これらの影響を防ぐために、冷蔵庫も保存場所として考えられますが、冷蔵庫に保存することで結露など別の問題を起こす場合もありますので、冷所保管という特別の指定があるもの以外は、直射日光の当たらない涼しい場所に保管していれば、保証期間内は問題ありません。なお、冷蔵庫保管が指定されたとき、家庭に小さなお子さんのいる場合は、誤って食べてしまわないよう、ほかの食品とはしっかり区別して、子供には開けられない容器に入れるなど、事故を防ぐ工夫をして下さい。

もらったくすりを炎天下の車内に置き忘れたのですが、飲んでも大丈夫でしょうか?

ごく短時間であれば飲んでも差し支えありませんが、真夏に何日間も置き忘れた場合は新しいくすりを出してもらって下さい。(病院で出されたり、処方箋にもとづいて薬局で出されたくすりの場合は、担当医に事情を説明して改めて処方箋を書いてもらう必要があります。)錠剤などの外観は変わらなくとも、有効成分が分解していることもありますので、見かけだけでは判断できません。飲み薬ではありませんが、坐剤や軟膏剤などでは、短時間でも高い温度にさらすと溶けてしまい、有効性が低下することがあります。一般に薬物は温度が高ければ高いほど分解しやすくなり、効果が低下しますので、その保管には十分に気をつけて下さい。また一度炎天下に置いて分解したくすりを後から冷蔵庫に入れても元には戻りません。

ジェネリック医薬品は本当に同じ効き目なのでしょうか?

ジェネリック医薬品は、効き目や安全性が確認されている先発医薬品に含まれる薬効成分が使用されています。ただ、錠剤などでは同じ成分が同じ量含まれている場合でも、製造方法などによって溶け方や吸収のされ方に差が出てくる可能性が考えられます。しかし、生物学的同等性試験と呼ばれる試験で、この薬効成分がどのぐらいの速さで、どのぐらいの量、人の身体の中に入っていくかが調べられており、先発医薬品とほぼ同じであることが確認され、国で求めている試験を経て医薬品として承認されていますので、先発医薬品と同じ効果が期待できます。安心して飲んで下さい。ジェネリック医薬品の方が先発医薬品に比べ一般的には安くなりますが、お薬によってはまだジェネリック医薬品が発売されていないものや発売されていても切り替えができない場合もありますので、医師や薬剤師にご相談下さい。

お薬には色がつけてありますが、どのような色素を使っているのですか。

薬の色は、お薬そのものに色がある場合と、お薬を区別するために色をつけている場合があります。色をつける場合は、医薬品添加物として使って良い着色剤が決められていて、それを使います。天然色素もありますが、合成色素もあります。色が付いている錠剤の多くは、コーティングするときに着色剤を混ぜていますが、コーティングせずに直接着色剤を混ぜている錠剤もあります。白い錠剤では酸化チタンなどの白い粉、赤い錠剤は酸化鉄や食用の赤色色素が使われています。黄色では、リボフラビンのようなビタミンが使われることもあります。お薬の説明書には、添加物として加えられているものが書かれていますので、その中に着色剤として使われたものも書かれています。合成色素の中でタートラジン(食用黄色4号)はアレルギーを引き起こすことがあります。現在はほとんど使われていませんが、アスピリンにアレルギーのある方はご使用を避け、医師・薬剤師にご相談下さい。

薬局で買ったお薬の説明書を見ると、添加物の名前がいくつか書いてありました。添加物はない方が安全そうな気がするのですが、添加物なしでお薬はできないのでしょうか。

効き目を表す有効成分だけでお薬を形作ることができることはめったにありません。例えば1mg(1gの1000分の1)で十分な効き目のある薬物をそれだけでお薬にすると、少なすぎてうまく使うことができません。そこで賦形剤と呼ばれる添加物を加えて、飲みやすい量に増やします。また、錠剤をつくるには錠剤の形にするための結合剤や飲んだ後錠剤が壊れて薬物が溶けやすくするための崩壊剤を加えます。そのほかにもお薬の効く時間を調整する添加物が加えられることもあります。このように添加物はお薬を作るために必要です。では、添加物は安全でしょうか。お薬に加えられる添加物には有効成分と同じように、厳しい基準があり、それに合格したものだけが使えるようになっています。お薬の使用方法を守って使用する範囲では安全です。ただし、アレルギーなどが全くないわけではないので、最近、説明書に何が入っているのか表示するようになりました。もし,気になることがありましたら、薬剤師にご相談下さい。

妊娠16週で新型インフルエンザにかかり、タミフルを処方されました。タミフルの妊婦・胎児への影響について教えて下さい。

妊娠中、お薬の服用に慎重になられるのは当然のことと思います。胎児の主な器官は妊娠14週までに形作られるので、特に妊娠初期は催奇形性の観点からお薬の使用を控えますが、母体の疾患が胎児にも悪影響を及ぼすと考えられる時には、積極的な薬物治療が必要となります。世界保健機関(WHO)は2009年8月21日に、新型インフルエンザに対する治療薬の使用指針を公表しました。重症患者には年齢を問わずタミフルを積極的に投与し、妊婦には軽症の場合でも投与するよう勧めています。指針では、成人のインフルエンザ治療に用いるタミフルの投与量について、1回75mgを1日2回5日間と定めています。妊娠中のタミフル服用に関する安全性の情報は限られています。2007年の米国疾病予防局ガイドラインには「抗インフルエンザ薬を投与された妊婦および出生した赤ちゃんに有害な副作用(有害事象)の報告はない」と記載されています。米国食品医薬品局(FDA)の薬剤胎児危険度分類でタミフルはカテゴリーC(危険性を否定することはできない)に分類されています。一方、日本で妊娠初期にタミフルを服用した妊婦90例中で奇形を持った出産例が1例(1.1%)あり、服薬していない妊婦における頻度(1-3%)と同程度であったことが最近報告されました。胎児に対するタミフルの影響について確定的なことをお伝えするには情報が不足していますが、新型インフルエンザに感染された場合には速やかにタミフルを服用して治療することのメリットがタミフルを服用することによるリスクを上回るというのが、WHO、米国疾病予防局、日本産科婦人科学会の現在の見解です。上記のお答えは一般的な副作用情報ですので、ご心配でしたら、ぜひかかりつけの産婦人科医にまずは電話でご相談されることをお勧めします。(2009年8月28日)

賦形剤や崩壊剤など薬に入っている様々な添加剤の意味を教えて下さい。例えば、崩壊剤とはどういう原理で、こういう目的で入れていますというように教えていただければ幸いです。

お薬は、通常の1回服用量が0.1-500mg程度と少なく、主薬のみでは服用や取り扱いが困難で、添加剤を加えて適切な大きさ、形状にする必要があります。また、製品の含量のばらつきを少なくしたり、流通や保存時の安定性を確保したり、主薬の溶出速度を制御したりして、治療の有効性や安全性を高め、患者さんが服用しやすいような製剤にするために添加される化合物を医薬品添加剤といいます。これらの医薬品添加剤は、長期の毒性試験が必須で、品質規格や使用量には厚労省の厳しい管理・指導がなされています。たとえば、錠剤などの固形製剤に用いる添加剤としては、適当な大きさや形を整えるための賦形剤(ふけいざい:乳糖やリン酸水素カルシウム)、顆粒を作るときに原料粉末同士を結合させる結合剤(でんぷん糊、ヒドロキシプロピルセルロース)、錠剤の消化管内での崩壊を促進し、吸収を高める崩壊剤などがあります。崩壊剤は錠剤への水の浸透を促しこれを崩壊させるために水にぬれやすく膨潤しやすい、でんぷん類やカルメロースなどのセルロース誘導体などが用いられます。さらに、錠剤成形(打錠)時に顆粒の流動性を良くして、含量バラツキを少なくしたり打錠機への付着を防ぐために加える滑沢剤(かったくざい:ステアリン酸マグネシウム)、不快な味や臭いをマスクしたり、体内での崩壊・溶出を調節したりするために錠剤や顆粒剤の表面を被覆するコーティング剤(セルロース誘導体)など多くの添加剤が使用されています。特に、胃酸で失活する主薬成分を保護するため胃酸では溶けず、pH6以上の腸の消化液で初めて溶解するようにコーティングするものを腸溶性コーティング剤(メタアクリル酸コポリマーなど)といいます。さらに、注射剤の添加剤としては、主薬を溶解するための溶剤(無菌の注射用水)、pHや浸透圧を血液・体液のそれに調節し投与時の刺激を軽減させる緩衝剤(弱酸、弱塩基化合物)や等張化剤(塩化ナトリウム、ブドウ糖)、主薬の酸化分解を防ぐなどの安定化剤、微生物の繁殖を防ぐ保存剤などが使用されています。

水を加えシロップとして飲むようにと書いた薬をもらいました。粉のまま飲んでもいいでしょうか?

ほとんどの粉薬は、そのまま粉で飲んでも大丈夫です。シロップにせずに飲めるようでしたら、粉のまま飲んでも結構です。ただし、ドライシロップは一回の服用量を、シロップにして容器のメモリを指定して飲むことになっています。したがって、一回の服用量をしっかり守るためには、やはりシロップにして飲むことをお勧めします。さらに抗生物質のクラバモックスのように、正しい量を服用してもらうために必ず溶かして服用する粉薬もあります。これは、薬剤師がお渡しする前に溶かすので粉のままでは飲めないようになっています。また、高カルシウム血症の患者さんが服用される中性リンの粉薬も、溶かしてから服用しなくてはならない薬です。

グレープフルーツを食べた後は、くすりを飲んではいけないと聞きましたが本当でしょうか?くすりを飲むときに他に注意すべき食べ物はありますか?

くすり全部ではありませんが、血圧を下げるくすりなどはグレープフルーツを食べた後やグレープフルーツジュースと一緒に飲んではいけません。くすりの効き目が強くなって血圧が下がりすぎ、めまいやふらつきが起こることがあります。また血液を固まりにくくするワルファリンというくすりを飲んでいる場合は、納豆を食べるのは避けて下さい。くすりが効きにくくなります。その他にも牛乳と一緒に飲んではいけないくすり、チーズを食べるのを避けたほうがよいくすりなどいろいろありますので、医師、薬剤師にご相談下さい。

冬になると、何時も咽喉が腫れて熱を出すのですが、去年同じ症状でもらった抗生物質と解熱剤が残っています、これを飲んでもいいでしょうか?

お医者さんで出された薬は,その時の患者さんの症状や体質を診察した結果、その時に一番良い薬が処方されたものです。症状が同じだからといって同じ病気であるとは限りませんし、患者さんの体質が変化している恐れもあります。従って、以前に渡された薬を服用してはいけません。あらためて医師の診察を受けて下さい。また、病院で処方された薬は、患者さんが実際に服用される期間内での品質保持を前提としており、処方から長期間経過したものの品質まで保証するものではありません。治療が終わった後で薬が残っている場合、他の薬との誤用、変質による有効性や安全性に対する懸念がありますので廃棄して下さい。

とても苦い粉クスリを薬局でもらいました。牛乳と一緒に飲んでもいいでしょうか?

 “良薬口に苦し”と言われますが、牛乳やオレンジジュースなどは、苦味軽減に効果があります。しかし、水以外の飲料(牛乳やグレープフルーツジュースなど)でのお薬の安易な服用は、注意を要する場合があります。たとえば、牛乳で服用した場合、牛乳中のカルシウムが一部の抗生物質の吸収を減少させたり、腸で溶けるように設計された一部の薬の効果を変化させたりすることがあります。また、苦味が胃腸機能改善に役立つ薬もあります。さらに、少量の水で練って、上あごに塗りつけると上手に飲ませることができる場合もあります。一方、オブラートに包んだり、服薬ゼリーを利用したりして、苦味に対処することも可能です。ぜひ、医師や薬剤師に安全な服薬方法をご相談下さい。

子供(7才)が病院からもらった錠剤を飲み込むことができません。錠剤を砕いて飲ませてもいいでしょうか?

錠剤には、特殊なコーティング(光による分解防止、胃で溶けずに腸で溶けるように、長い時間効き目を持続するように少しずつ溶けていくようになど)を施しているものがあります。したがって、砕くと本来の薬効が期待できなくなるもの、薬が一度に溶け出て副作用につながるものなどがあります。また、砕いたことによって苦味を感じるなどのケースもありますので、できるだけ砕かずに飲ませて下さい。そのためには錠剤を飲み込みやすくするための服薬ゼリーを利用する方法もあります。砕いてもいい錠剤かどうか、あるいは代用品(散剤やシロップ剤)や砕いてもいい錠剤に変更できるかなど、医師、薬剤師さんにご相談下さい。