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会長メッセージ

会長就任のご挨拶

杉林先生
杉林堅次
城西大学薬学部薬粧品動態制御学研究室

 2010年6月より、社団法人日本薬剤学会会長に就任しました杉林堅次です。19代目になると伺っています。ただ、今までの歴代会長とは異なり理事を経ずに会長になりましたので、何から手をつけてよいか今勉強中です。理事・評議員の先生方はもちろんですが一般会員の皆様にも忌憚のないご意見と叱咤・激励を頂戴して会の運営に携わっていきたいと思っています。どうか、よろしくお願い申し上げます。
 日本薬剤学会は1985年に設立され、今年はまさに4半世紀目。夫婦でいえば、銀婚式を迎える記念の年になるかと思います。おりしも、学会の設立に心血を注がれ初代会長となり、その後もずっと日本薬剤学会を見守っていただいた永井恒司先生が、この6月より名誉会長となることが決まりました。これからの4半世紀をどうしていくか、特にこれからの薬剤学会を支えていくと考えられる若い人材のために、名誉会長ともども考えていきたいと思っています。
 「薬剤学」とは、医薬品が安全に、有効に、かつ使いやすく設計されることにより、すべての人々の健康な生活を確保するための学問です。そのため、本学会は薬剤師、研究者、技術者、産学官の諸分野で薬剤学に関心のある個人、あるいは団体から構成されています。薬学をとりまく環境は、大学などの教育機関、病院や薬局などの医療現場、製薬や関連企業、そして薬学に関連する官公庁でも、最近大きく変動しており、従前は正しかった行動や規範が現在では通じなくなっているものも多いと考えます。このような環境であるからこそ、我々は、「薬剤学」の真髄を見極め、境界領域を取り込み、さらにグローバル化を進めることによって、新しい時代にも進歩する日本薬剤学会を目指したいと考えます。

 教育現場では、薬剤師養成課程が平成18年度から6年制となり、今年4月で5年目を迎え、平成24年3月には1期生が卒業することになります。社会はどのような人材を必要とし、一方、大学はどのような学生を巣立たせるか真剣に考える時期でもあります。おりしも、我が国は人口減の時代を迎えつつあり、さらに人口構成は逆三角形、高齢者の割合が増加し、若年者の比率が下がっています。商品の売上は基本的に消費者の数に比例します。企業体を大きくするためには新しい消費者を掘り起こすか、合併するか、または消費者を海外に求めるしかありません。薬剤学の真髄を見極めることにより、また、薬剤学との境界領域を取り込むことによって、付加価値をつけ商品(医薬品)の売上の増加に寄与できないでしょうか。もちろん、薬剤学会ではグローバル化も重要なテーマです。欧米だけでなく、近隣のアジア諸国との交流がさらに必要でしょう。すでに本学会ではFIPCRSAAPSなどとの連携を進めてきました。また、アジアの薬学・薬剤学の進展のためにアジア薬学連合(AFPS)が1昨年発足し、薬剤学会の多くのメンバーが中心となりました。グローバル化における薬剤学会の方向は間違っていないと思います。
 日本薬剤学会は今「公益法人」化に向けて準備をしています。今まで、年会や各種セミナー・講習会・講座・シンポジウムを開催し、会誌を刊行し、また、広報委員会や将来ビジョン委員会などの多くの委員会活動を活発に行ってきました。私は、会員相互の情報の共有がなににもまして重要であると考えています。学会構成員全体が活動を理解し、広く連携をとっていくことが重要であると思います。
 会員皆様のご意見と叱咤・激励を再度お願いし、挨拶にかえさせていただきます。    (2010/06/01)